表 5-4.水景などその他のアートに対する因子得点
対象 属性
総合的 評価性
(環境の)
開放性 暖かみ アピール性 古典性 (環境の)
都市性
08 水景(駅前) 一般
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08 水景(駅前) 学生
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08 水景(駅前) 専門
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09 水景(駅前時計) 一般
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09 水景(駅前時計) 学生
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09 水景(駅前時計) 専門
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26 水景(市役所) 一般
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26 水景(市役所) 学生
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26 水景(市役所) 専門
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今年度の調査は、参加したメンバー全員にとって非常に新鮮な経験となった。メンバーの多くが永 年金沢近辺に居住し、金沢のアートアベニューでもある大通りも頻繁に歩いているにもかかわらず、
今回調査対象のパブリックアートは馴染みのないものが多かった。実際に歩いて見て回ると、「こん なところにこんなものが」と初めて気づくものが多い。ふだんからそういったものへ関心が高い専門 家であっても気づきにくいのであるから、一般市民はなおのこと気づいていないものが多いのではな いかと考えられる。パブリックアートが市民権を得て、街の中に適切なものが設置されるようになる には、いっそう市民の関心を呼び起こすような工夫が求められる。
また、国際コンペという鳴り物入りで設置が決まった何点かの作品についても、市民の参加者は「あ ることは知っていたがあまり意識していなかった」、「国際コンペで決まったことをしらなかった」、
「それほど興味がなかった」など、専門家以外にはあまり認知されていないようであった。
(2)パブリックアートのあり方について
パブリックアートについては、辞書による定義に加え、さまざまな文献・資料による調査によりわ れわれとしての定義を試みた。もともとパブリックアートとは、狭義には公共の目的に合わせて設置 された芸術作品のことであるが、一般的にはかなり拡大解釈して使われており、「公共空間におかれ た芸術作品」というのが妥当な定義であろう。しかし、本来パブリックアートの目的とするところと この広義の定義の違いは、今後のパブリックアートを考える上で一つの改善方向を示しているともい えよう。
パブリックアートは、文字通り私的なものではない。であるならば、その土地の文脈に適合したも のでないと地元市民に受け入れられない。適合性を留保する仕組みが現在のパブリックアートには欠 けているのである。パブリックアートと言いながら、パブリック(市民)にあまり親しまれていない ことが図らずも明らかになった形であった。
(3)今回の市民による評価で分かったこと
個人的な好みの差が大きなものもある。好みの差が大きいからといってすぐに不適切というわけで はない。いつの時代でも理解されるようなものが望ましいが、将来的にその土地に根着く可能性があ り、普遍的な街並みの美しさを実現できるかどうかは、関心の無い市民の判断は反対に不適切になる 可能性がある。その判断は設置者、作者、市民、都市の専門家の議論によって多面的になされること で実現に近づく。市民もまちづくりや都市の環境に関心を抱き、市民自らがさまざまな都市政策にか かわるような仕組みを作り出すことが、これからのパブリックアートをより開かれた民主的なものに する上で必要なことである。
特に、設置に際しては注目してもその後のメンテナンスや撤去についてどうするかといったことに ついての取り決めは明確ではない。そのため、ケースバイケースで対応することになり統一的な扱い が難しい。将来を見通したパブリックアートの生かし方を考えていく必要があるだろう。
今回調査したものの活用であるが、ここにあがったもの以外にも金沢市内には多くのパブリックア ートが存在する。将来的には全件のデータベースとして、設置や撤去の基礎資料として活用できるも のになれば望ましい。
(4)今後パブリックアートに望まれること
今回の調査の結果、今後パブリックアートの設置を検討していく上で検討すべき点、留意すべき点、
改善が望まれる点などを以下に列記する。
・歩道に設置されているものは、歩行者の通行を妨げないように配慮する必要がある。
・歩道や公園など人が多い場所に置かれるため、地震に対する安全性(設置方法の安全性・設置場 所の安全性・アート自体の安全性)が求められる。
・またパブリックアートには、触ったり、座ったり、乗ったりできるものもあり、遊具などと同様 な安全性も求められる。
・いったん設置されると風雨にさらされるため、耐腐食性や錆対策が求められる。
Corpus Minor#1
のように錆が出ることも作品の意図である場合は、設置前にその旨を明らかにする、錆受けを設 けるなど周辺に錆が流れ出さない配慮が必要である。・県や市でパブリックアートを一括して管轄する部署がない。継続的で考え方の首尾一貫したパブ リックアートの状態を維持するための管理方法を考えていくことが必要である。
【パブリックアートとしての要件】
・パブリックアートは、不特定多数が鑑賞することを前提としている。すべての人が納得するもの を選ぶことは困難であろうが、特定の人に不快感を当てるもの、侮辱されたと感じられるもの、
嫌悪感を催すものなどは避けるべきであろう。この意味から、裸婦像はパブリックアートにはあ まりふさわしくないし、身体の一部を強調した作品にも留意する必要がある。身体障害者・女性 など一部の人には反感を買う可能性がある。
・全体に彫刻が多く、その中でもブロンズ像が多い。壁画やレリーフなどバラエティがほしい。ま た、動きのあるもの、音の出るものなど、五感を刺激するようなものがあったほうがいい。
・アートよりも台座のほうが目立つものが見られる。台座が高すぎるものが多い。
・設置した当初の意図が見えないものが多い。できれば地区ごとにテーマ性を持たせるといったよ うに、楽しく鑑賞できるような工夫もあってよいのではないか。本来パブリックアートには、歴 史性や、場所性、ストーリー性などが必要と考えられる。既存のパブリックアートは、金沢らし さや前田家などの歴史を感じさせる作品が少ない。
・軽薄であったり安っぽかったりするようなものは少なかったのは、評価するべき点である。
・パブリックアートは周辺の汚いものを隠す意味を持っていたが、管理状態が悪いと汚いものを際 立たせてしまう場合もある。
・写真を撮りたくなるような金沢らしいスポット(品があり、記念となるもの)を作ることで、よ りまちの魅力を増すことができるのではないか。
【既存のものに対する改善点】
・公園や緑地に設置するアートに台座は不必要と思う。台座を作る場合には、本体より目立たない ものがほしい。
・地区ごとに、統一した視点が欲しい。その場所や歴史などの始点がほしい。
・市民レベルの親しみのあるものが欲しい。触れるものや上れるもの、あるいは一緒に写真に納ま りたくなるようなものがほしい。